私たちの物語

ヴィクトリア女王の時代である1856年、チャールズ・ディケンズは小説を執筆していました。イングランド・サマセット州の田舎町キャッスル・キャリーまで初のロンドン鉄道が開通した頃、物語が幕を開けたのです。

同年、創業者のウィルトン·フランクWilton Frankが歴史の1ページを刻もうとしていました。サマセット州の中心で自家製のチェダーチーズを長年販売、地元では既に好評であったものの、その飽くなき大志でさらなる拡大を追求することにしたのです。

真新しい鉄道を見たウィルトンは閃き、そして開通からわずか数週間後には汽車で地元名物のチェダーチーズをロンドンに運んでいたのです。れ以降、リクエストに応えるべく毎週配送を行いました。首都へ送られるチェダーを収めるため、わざわざ荷室が追加されたほどです。

Wilton Frankのチェダーチーズは、今日に至るまで当初のレシピに忠実に作られ、伝統的な手法で熟成されています。現在のチーズは鉄道で輸送されているわけではありませんが、今でも出荷されるチーズにはそれぞれ「train-ready汽車積込準備完了の認定印が付けられています。156年に渡ってロンドンのお気に入りチェダー。今後もきっと、その歴史は続いていくことでしょう。